君の隣
9月16日の夜。
私達、奇兵隊4番隊は、姫島の牢の前にいた。
なつ「皆、よろしく!」
全員「はいっ!」
どこからともなく、シュッ。ドカッ。ドサッ。と衣擦れ音のみ聞こえる。
私達、隠密が動いているんだから当然だ。
そして、野村様を牢から助け出した。
なつ「野村様、お久しぶりでございます。」
野村「おなつさん!」
なつ「早く、谷・・・。高杉が待ってます。」
野村「ありがとう。」
そして、野村様を谷の元に連れて行った。
野村「高・・・。谷殿。お礼を申し上げます。でも・・・。病で伏せっていたとは・・・っ。」
高杉「私が、九州へ亡命したときのご恩は忘れてはいません。お気になさらず。病は・・・。ケホッ。仕方のないこと。もうすぐ、小屋が完成するんです。また、そちらにも来て下さい。」
野村様は、谷の手を握りしめ、涙を流されていた。