君の隣




ある日、野村様が、お見舞いに来られた。




そして、筆を取り、



“面白きこともなき世に面白く”



と上の句を詠んだ。上の句を詠んだ後、ぽとりと筆を落とした。




詩を作ったり、三味線を弾いたりするのが好きだった谷・・・。



エゲレスに行きたいと、目を輝かせていた谷・・・。



武士である彼は、藩や国の危機を見過ごす事が出来なかったんだ。




そんな谷にとって、この世は面白く無かったのかもしれない。




でもね、私は、あなたと出会った、この世は好きだよ。





って言ったら、また喧嘩になるね。




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