君の隣
ついに、医者は、家族を呼べと言った。
萩から、谷の家族が来た。
沢山の同志が見舞いに来られた。
高杉「なつ・・・。花街に行きたい。」
その日、谷は、そう言った。
私は、芸妓姿になり、三味線を持って谷の前に現れた。
なつ「旦那様。お久しぶりでございます。秋風にございます。」
私は、三味線を弾いた。
皆は、涙を拭いながら、踊って歌った。
ポロン。
宴会のようになったその場に谷はとても満足していた。
谷は踊っていた、助六さんの扇子に詩を書いた。
そして、私を抱き寄せて、
高杉「やはり、三味は俺の方が上手い・・・。皆、ここまで、やったんだ。ここからが大事・・・。しっかりやってくれ・・・。しっかりやってくれ・・・。」
と、繰り返していた。