君の隣





情報をかき集めて沖田さんの居場所を突き止めた。



しかし・・・。




私は、信じたくなかった。





そこにいないで欲しいという想いで、千駄ヶ谷の植木屋に行った。




なつ「っ・・・。沖田さん・・・っ。」



沖田さんは、そこに寝ていた。




本当だったんだ・・・。




沖田さんは、労咳を患って伏せっていた。




やせ細り、土器色の顔色で、皮と骨になっていた。




昔の面影はなかった。




なつ「沖田さん・・・。お久しぶり。」




沖田「え?・・・。ケホッ。ケホッ。おなつさん?」




なつ「はい。決着をつけに来ました。」




私がそう言うと、沖田さんは、少し嬉しそうに微笑んだ。





私は、褥の横に腰を下ろした。





なつ「労咳なんですってね・・・。」



沖田「はい・・・。情けないですが・・・。はははっ・・・。ケホッ。ゴホッ。」



きっと、もう、時間はない・・・。






私は、しばらく、沖田さんの所でお世話になった。




沖田さんは、それから数日後、幻覚を見ているようで譫言を言っていた。


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