君の隣



なつ「沖田さん・・・。」





ガタッ。



え?




バッと、体勢を変えると、そこには、薩摩の人がいた。




「あんたは・・・。あぁ・・・。あの出しゃばりの女か・・・。」



なつ「何をしに来たの?」



「ここに、新選組の組長が病に伏せってるって聞いたからよぉ。首を取りに来たんだ。」



なつ「もう、余命幾ばくもない。そんな人の首を取らなくても良いでしょ!?」



「何だ?お前・・・。そっち側か?」



なつ「違いますっ!そんなに、首が欲しければ、他の元気な人を狙いなさいよっ!」



「うるさい!」




男は、持っていた油と酒を混ざったような水を撒き散らして、火を放った。







なつ「なっ・・・。」





私は、とっさに、沖田さんをおぶった。




なにこれ!?物凄く軽い・・・。




私は、なんとか、外に出た。




すると、沖田さんが、うっすらと目を開けて、




沖田「婆さん・・・。菊一文字取って・・・。猫が来てる。斬りたい・・・。」



なつ「え?菊一文字?」



刀か・・・。





もう家は、轟々と燃えている。




彼は、武士だ!刀は、命・・・。





私は、もう一度、家の中に飛び込んだ。









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