君の隣
無名の尻軽





ここは、どこ?




全く知らない家。




私・・・。火事の所から出たよね?




「あれっ?おなつさん?」



声をかけられ振り向くと、沖田さんがいた。



なつ「え?何で、沖田さん?」




沖田「だって,ここ、私のお墓だし。」




なつ「え?お墓?」



沖田「ほら?」




そう言って見せられたのは、沖田家の墓と書かれた表札。





何で私、沖田家の墓に?



すると、沖田さんがポンと手を叩いた。




沖田「そっか。この名前のない女の人が、おなつさんなんだ!」



表札を見ると、沖田さんの名前と無名の女性と書かれている。





コレって・・・。




私・・・。死んだ?




そう・・・。私は、煙を吸い込みすぎて死んだのだ。




そして、沖田さんに抱きついて死んでいたため、恋仲だと思われて、一緒に埋葬されたようだ。





マズいよ。これ。




谷に知られたら、絶対、『尻軽!』って言われる。




そして、外に出ると、黄泉の街?があった。



色々な物があり、まるで、市だ。




そして、沖田さんが、説明をしてくれた。




沖田「同じ墓に入った人は、ここで同じ家に暮らすんだよ。一人で入ってる人は、他の人とでも良いんだ。先祖代々は、自分の家を持って良いの。」




なつ「へぇ・・・。ということは・・・。私・・・。」




沖田「そう!一緒にお墓に入ってるみたいだから、ここで、私達は一緒に暮らすんだ。」




なつ「無理です!無理無理!」




沖田「私は、嬉しいですよ♪」




そんな話をしながら、街に出た。
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