君の隣
母と、兄、姉の4人家族。
兄も姉も情報屋として、独立している。
兄は、今は、京にいて、姉は、情報を駆使して、どこかの藩主の側室になったらしい。
私は、母ことお富さんとまだ一緒に暮らしている。
私の母は、変わっていて、夫婦に興味が無いらしい。
恋仲が出来ると、男と何処かへ行ってしまう。
その時が、独立の時だ。
私達兄姉は、全員、父親が違う。
母・・・。お富さん(おっかぁと言うと怒られる。)曰わく、『皆の父親は愛してたけど、私の父親を一番愛していた。』らしい。
だから、私は、まだ、お富さんと一緒にいるのだろう。
今は、長州の萩の外れに暮らしている。
しかし・・・。
お富「ねぇ、おなっちゃん。私、好きな人が出来たの♪」
なつ「え?」
お富「だから、情報屋として独立してね?あと、私、長州を出て、紀州に行くから♪」
なつ「紀州?」
お富「そ。紀・州。彼と紀州へ行くの♪家は・・・。そのまま使って良いから。じゃあね~♪」
そう言って、お富さんは、出て行った。