君の隣

次の日の朝・・・。眩しさに目を覚ます。



すると、目の前に愛おしい顔がまた前の時のように困り顔になっていた。



高杉「うーん・・・。」


意識がハッキリしてきた。



そして・・・。


至近距離で目が合う。



なつ「お・・・。おはよ・・・。」



高杉「あぁ。」



そう言うと俺は、なつの唇に接吻した。



何度も、唇を啄んでいると、気持ちが高ぶり、止められなくなり、深くなる。



なつ「ちょっ・・・。ちょっと、待って・・・っ。」



俺は、なつが欲しくて堪らない。少し拒絶したなつに、



高杉「何だ？不満か？」



なつ「いや。そういうのでは・・・。」



高杉「じゃあ、黙れ。」



一応聞く。まぁ嫌と言っても止めないが・・・。



なつの首筋に、唇を当て、舌を這わせるとなつから甘い溜息が漏れる。



すると、肩を押されて、至近距離で見つめ合う。



なつ「高杉・・・。ダメだよ！こういうのは、好いてる人としないと！」


高杉「好いてる人・・・。」



なつ「そう！」



高杉「ふーん・・・。だったら、お前は、俺を好いてるのか？」



なつ「えぇ！？私？何故、私！？」



俺は、好いてる。お前の気持ちは？



高杉「お前は、俺を好いているから、抱かれたのか？」



なつ「それは・・・。」



なつの目が泳ぎ、考えている。



なつ「わかんない・・・。」




わかんないって何だ？好きなのか？嫌いなのか？俺は、なつの手首を掴んだ。



高杉「だったら・・・。だったら、何故、俺に抱かれた・・・。お前、初めてだったんだろう？」


なつは赤くなりながら、コクリと頷く。



俺はなつの胸に舌を這わせて、耳を胸につけ心の臓の音を聞いた。



俺と同じくらい速い・・・。



顔を近づけ唇に触れながら、



高杉「俺のこと好いてると言え・・・。」



なつ「わかんな・・・っ。」



「わからない」と答えようとするから、唇を塞ぐ。



何度も、口付けを交わして、そのまま、身体を重ねた。




俺は、なつをギュッと抱きしめてなつの額に口づけた。



高杉「なんで、好いてるって言わねえんだ？他に好いてる奴がいるからか？」



なつ「高杉は・・・。私のこと好いてるの？」



俺だけ好いてるとか、嫌だろうが・・・。




俺は、はぐらかすように「さぁな。」と言った。




そして、しばらく、じゃれ合うように抱き合っていた。



すると、外でガヤガヤと人の声がする。



なつ「私・・・。もう行く・・・。泊めてくれてありがとう。」



そう言うと、なつは、俺から離れて着物を見た。



なつ「これじゃあ、着て帰れない・・・。」



あれだけ返り血浴びてたら無理だろうなぁ。



俺は昨日なつに着せた着物を渡す。



高杉「これを着ていけ。」



なつ「ありがとう・・・。」



なつが出て行くのが嫌で抱きしめて、口付けを交わす。



何度も角度を変え口付けていると、なつの腕が俺の首に回り俺の口付けに応えていた。



そっと、唇を離す。


愛しさが溢れてどうにかなりそうだ・・・。




帰したくない。ずっと腕の中に閉じ込めておきたい。




なつ・・・。早く自分の気持ちに気付け。




そう思って、最後に口付けをすると、なつは、出て行った。