君の隣

それぞれの道

二人で江戸から旅をする。



高杉は、私とずっと手を握っている。



私は、苦しくて、苦しくて、仕方がない。



私達は、宿に泊まった。



なつ「あぁ！疲れた！」


高杉「お前、体力無いな。くくくっ。」



なつ「お酒ばっかり飲んでる高杉に言われたくない！」



高杉が、私を抱きしめた。



なつ「ちょっと！」



高杉「こうしてると、なんだか、夫婦みたいだ・・・。お前のその岡っ引き姿はちと残念だがな。」



なつ「何、言ってんの？そんな冗談やめて！」



高杉「なぁ。おなつ・・・。俺のことどう思ってる？俺は、お前が欲しい・・・。俺の女になれ・・・。」




なつ「っ！」



私も好きだと言えたらどれだけ幸せか・・・。



でも、私は決めたんだ。



高杉を政で支えるって・・・。



高杉が私の耳に、口付けをして、耳に舌を這わせる。


ピクッと身体を揺らしてしまう。



このまま、高杉と肌を重ねたい。



でも、それをしたら、私は、これからの事に耐えれない・・・。



私は、高杉の胸を押す。



なつ「止めて！」



高杉「おなつ・・・。俺は、お前のこと・・・。」




私は、高杉を抱きしめた。




なつ「私はっ！私は、高杉の女にならない。でも、違う形で、必ず、あなたを支える・・・っ。ごめん。でも、ありがとう。女になれって言ってくれて・・・。」



高杉「なつ・・・。それどういう意味・・・。」


そう高杉が言おうとしたときに、部屋の外で声がした。



「高杉！おなつちゃん、いいか！？」



私達は顔を見合わせた。



襖を開けると、江戸で松陰先生の遣いをお願いした人が慌てた様子で立っていた。