君の隣
7月。
なつが水戸藩士を連れて、会いに来た。
「よぅ!名無し!久しぶり。」
何なんだ?名無しって・・・。
しかも、何でこんなに仲が良いんだ?
この安さんとか言う奴と。
安さん「おなつちゃん!可愛いね。」
高杉「え?」
なつが他の席に行った後に安井が言った。
安さん「おなつちゃんって旦那とかいる?」
桂「いや。まだ、独り身だ。」
安さん「じゃあ、恋仲は?」
何で、コイツこんな事ばかり聞くんだ?
高杉「何で、そんな事を聞くんですか?」
俺は不機嫌を隠さないで聞いた。
安さん「誰もいないんだったら、求婚しようかなと思って・・・。」
桂・高杉「求婚!?」
俺は、安井の惚気話をずっと聞かされた。
あの暗殺・・・。なつが作った作戦か・・・。流石だな。
安さん「次に呼び出した時に、求婚する。」
何なんだ!コイツ!気に入らない!
すると桂さんがこちらを面白そうに見ながら言う。
桂「おなつちゃんは、変わったおなごだぜ?あんたには・・・。もっと、良い人が、いると思うがねぇ?」
安さん「いや!あんな面白いおなごはいない!」
高杉「あいつは、本っ当に尻軽だなっ!」
安さん「尻軽?」
俺は、イライラしながら言う。
高杉「あっちでもこっちでも、男に良い顔ばかり。先日も男をたぶらかしてきたばかりだ。」
安さん「へぇ。やっぱり、おなつちゃんモテるんだなぁ。面白いもんな。そんな子の旦那になるなんて、鼻が高いじゃねぇか!」
桂さんが、俺にしか聞こえない声で笑いながら言う。
桂「逆効果だったな。くくくっ。安さんもベタ惚れってことだ。」
俺は、イライラが止まらない。
やっぱり、俺の心配したとおりになった。
いつか、アイツにはこういう事が起こると思ってた!
そして・・・。数日後。
桂「おなつちゃん、安さんに求婚されたみたいだぞ。」
高杉「んで、断ったんでしょ?」
桂「いや。まだ。」
高杉「はぁ?何で?」
桂「俺は、おなつちゃんが幸せになるんだったら良いと思うがな。」
高杉「幸せ?アイツは、俺達と政をするのが、幸せなんですよ?」
桂「それは、お前の・・・。じゃないのか?」
高杉「何で、俺のになるんですか!」
俺は、またイライラする。