君の隣
そんな時に、家から、また、『帰れ』の催促の書状が届く。
高杉「今、帰ったら、アイツが騙されて、変な男に、娶られるっ!」
久坂「でも、その安井って人、良さそうな人なんだったら良いんじゃないのか?」
高杉「ダメだ!あんな奴!なつには合わん!」
桂「仲良さそうだったけどな。」
何を言うんだ!桂さんは!
俺は、なつを萩に連れて帰ることを決めた。
これを話すと、桂さんも久坂も呆れながら、お前の女じゃないと言う。
確かにそうだ。
そんな事わかってる。でも・・・。
我が儘だが、このまま、あいつを安井に嫁がせたくない。
そして、俺は、安さんを呼び出して、なつも呼び出す。
求婚の事を問いただすと、なつは、俺には関係ないと言う。
この言葉が結構、堪えた。
確かに俺には関係ない。俺には嫁がいるし、一緒になってやることは出来ない。
でも、なつが他の男に触れられているのを想像しただけでも、心がモヤモヤ、イライラする。
またなつと言い合いをしていると、安井が来た。
高杉「俺が、呼んだ。早く断れ。」
なつ「何で、高杉が勝手にそんな事するの!?」
安さん「おなつちゃん。この間の返事を聞かせてくれるって・・・。」
なつは、俺を睨んでいたが俺は無視。
すると、なつは安井に頭を下げた。
なつ「あの・・・。すみません!私、やっぱり無理です!ごめんなさい!」
安さん「何がダメなのかな?」
なつ「私には・・・。志があります。嫁に行くとそれが出来なくなります。」
安さん「それは、どんな事?」
なつ「ま・・・。政に関わりたいんです!だから、家に入る事が出来ません!」
安さん「そんな事か!良いよ!俺の家は・・・。というか、俺にはもう親兄弟はいない。天涯孤独だ。だからおなつちゃんがしたいことをすればいい。」
なつ「え?」
しばらくやり取りを聞いていたら、なつの志を応援するという。
コイツ、脱藩する気かってもう脱藩してるのか・・・。てことは長州に来るのか?
安さん「それなら、断りの理由にならないよ?君の志を応援する。」
なつ「え?」
応援すると言われ、何て言って良いのかわからないようでなつは黙っている。
パシン!
頭を叩く。
高杉「お前・・・。ちゃんと言え!」
なつ「へ?」
俺は、なつを抱き寄せた。
高杉「コイツは、俺の妾だ!」
驚くなつに、口付けをして、何も言わせない。
そして、なつの顔を顔をギュッと自分の胸に押しやった。
安さん「おなつちゃん・・・。妾なんて・・・。本当にいいの?」
なつは、無意識にコクコクと首を縦に振っていた。
高杉「なつは、俺の女だ。諦めて下さいね。」
安さん「君、奥方いるんだよね?おなつちゃん泣かせたら、許さないからね?」
高杉「そんな事わかってる。」
そして、安井は出て行った。
そのあとは、なつを抱き寄せずっと、飽きることなく口付けていた。
そして一緒に萩に帰ることになった。