君の隣





高杉「品川の御殿山にエゲレスの公使館が出来る。それを焼き払おう。」



なつ「あそこは、確か、花見の名所で、地元住民が、以前に反対したんだよね?」



高杉「あぁ。それを、今回、幕府が無理やりに建てた。」



久坂「そっか!ここで焼き払えば・・・。」



志道「幕府が攘夷の渦中に放り込まれるってわけか。」



高杉が頷く。



高杉「それに・・・。真っ先に攘夷を行った我々、長州藩の汚名は消える。しかも、藩内の決意も強固される。」



なつ「じゃあ、私、また、下調べしてくる!」











12月12日。深夜。




なつ「伊藤さん!福原さん!お二人も来てくれたんですか?」



伊藤「うん!もちろん!」






そして・・・。





完成間近のエゲレス公使館に近付く。





なつ「よいしょっと!」




私は、木柵を一本切っておいた所を外した。




なつ「ここからだと入りやすいでしょ?早く、入って!」




高杉「でかした!」



そう言って、頭を撫でられた。






そして、火を放ち、逃げた。





皆、各々、別の場所に逃げる。






高杉は、一緒に来いと言ったが、私は断った。




高杉とは、距離を置くと決めていたから・・・。





私は、高い木の上から燃える御殿山を眺めていた。












勢いの付いた私達の中の久坂さんが、殿の力を借りて、朝廷に、働きかけて、幕府に圧力を掛けた。



そして・・・。





『安政の大獄』で捕まって処刑した罪人の罪を取り消した。









文久3年1月5日。




高杉に、呼び出された。



すると、伊藤さん、堀真さん、遠藤さん山尾さん、赤袮さんもいた。



なつ「皆、どうしたんですか?あれ?高杉は?」



伊藤「俺らも、呼ばれたんです。」



すると、高杉が遅れてきた。



高杉「よし!揃ってるな。行くぞ。」



伊藤「行くってどこにですか?」



高杉「今から、先生の遺骨を、移すんだ。」




全員「え!?」


なつ「やっぱり、そうだったんだ・・・。」




私は、また、情報屋から情報をもらっていた。真実かどうかはわからなかったが・・・。



高杉「あぁ。」




そして、先生の遺骨を掘り起こし若林村に埋葬した。






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