君の隣





私は、書状を持ち帰った。




世子「ご苦労であった。では父に代わって沙汰を下す。おなつ、礼を言う。」



そして・・・。


8月27日。


宮城さんは切腹を命じられ、高杉は、政務役を免ぜられた。





少し、安堵した高杉を見て、私も、安堵した。





しかし、この事件で、奇兵隊に殺された蔵田幾之進の息子の蔵田千弥が高杉の周りをうろうろし出した。





毎日、私の隊の誰かを護衛に付けた。





そして・・・。




千弥「高杉めぇぇぇぇ!父の仇ぃぃぃ!」




護衛に付いてるのがおなごの私を付け狙って、襲ってきた。




カキィン!ギリギリ。




なつ「蔵田千弥さん?」




千弥「あぁ!そうだよ!父上の仇をっ!本来なら、こんな失態をしたくせに、別の奴に、切腹させるなんて!」




なつ「それは、敬親様の命に、不満があると?」



千弥「っ!」




私は続ける。




なつ「それに、先鋒隊の奴に奇兵隊の一人も殺されてる!私の事を娘と言ってくれた人・・・。それに、恨むなら逃げて行ったときに置いていった仲間にでしょうが!いい?高杉に何かしたら、私は、絶対、あんたを許さない。」




千弥「くそっ!おなごのくせに生意気なっ!」




なつ「そのおなごに勝てないのは、誰?」




私は、蔵田の腹を蹴り、蔵田が、転んだ瞬間に刀を遠くへやり、首に、刀を這わせた。




なつ「いい?二度と、バカな真似はやめなさい!これ以上、続けるなら、敬親様に報告させてもらう。」




いくら大組だからといって、高杉に何かしたら、蔵田家は何らかの罰を受ける。




それだけ、藩には、高杉は大事な存在になっている。





そして、蔵田は、高杉の前から消えた。



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