君の隣
崩壊


正義派が藩政を取って、高杉はまず、『回復私議』という藩の指針を打ち出した。



高杉「なつ!見てくれ!」



一冊の書簡。



私は、読み進めていくほどに胸が高鳴る。



高杉「民政が正しければ、民が富む。民が富めば、藩が富み、良い武器を仕入れることが出来る。それが出来れば、向かうところ敵なしだ!」



私は、高杉に抱きつく。



高杉「わっ!」



なつ「すごい!そうだよ!横井先生の教えが入ってるね!」




横井先生とは、昔に高杉と諸国を回ったときに、お世話になり感銘を受けた先生だ。




高杉「あぁ!横井先生は素晴らしい考えをお持ちだ。」




私達は、抱き合い微笑む。




私は、そこで、高杉に抱き付いていた事に気付く。




なつ「ごっ・・・ごめん!」



バッと、離れて、高杉に背を向けた。




高杉が、フッと笑うのを背中で感じた。



高杉の考えは、素晴らしかった。




下関を公に開港しようとした。




しかし、幕府はそれを許さない。





開港されている、横浜などは、幕府直轄の土地だったからだ。





高杉「エゲレスと直接、交渉する!」




なつ「凄い考え・・・。」




私は、高杉が、先日、エゲレスに行くと言い出したのを思い出した。



もしかして、このためだったのかな・・・。





そして、藩は、高杉と伊藤さん、それに、私までの留学を許して下さり、旅費を下さった。





私達は、長崎へ行った。






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