君の隣




長崎で、ガワーというエゲレス人に、話を聞いてもらう。




使節役として高杉がエゲレスに行きたいという事も、聞いてもらった。






しかし・・・。





エゲレスからは良い返事が貰えなかった。




グラバーという商人も、今は、エゲレスに行くべきでないと言われてしまう。





私達は、下関に帰ってきた。




そして、高杉、井上さん、伊藤さん、楊井さんらは、馬関応接掛に任ぜられて、下関の開港と密貿易の件で動いていた。




私もそれを裏で手伝っていた。




そんな時・・・。




どこからか情報が漏れた。





下関は長州と、清末藩のものだった。




清末藩は、支藩とはいえ、下関は自国という気持ちが強い。





なつ「高杉・・・。私達に暗殺計画が出てる。逃げよう。」





皆は散り散りに逃げることにした。





なつ「じゃあね!気を・・・。」




高杉「何を言ってる!お前は、俺と来い!」



なつ「でも・・・。」




高杉「夫婦の商人という事で逃げる。」




なつ「夫婦・・・。」




偽物でも、そういう関係でいれる事が少し嬉しい・・・。




って、何を考えてるの!高杉達の命が危ないって時に!



私は、自分の頬を両手でパンと叩く。



不謹慎すぎ!






なつ「高杉は、私が命に代えてでも守る。」




この逃避行が、二人の関係を変えてしまう事を私はまだ知らなかった・・・。



< 94 / 135 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop