君の隣
長崎で、ガワーというエゲレス人に、話を聞いてもらう。
使節役として高杉がエゲレスに行きたいという事も、聞いてもらった。
しかし・・・。
エゲレスからは良い返事が貰えなかった。
グラバーという商人も、今は、エゲレスに行くべきでないと言われてしまう。
私達は、下関に帰ってきた。
そして、高杉、井上さん、伊藤さん、楊井さんらは、馬関応接掛に任ぜられて、下関の開港と密貿易の件で動いていた。
私もそれを裏で手伝っていた。
そんな時・・・。
どこからか情報が漏れた。
下関は長州と、清末藩のものだった。
清末藩は、支藩とはいえ、下関は自国という気持ちが強い。
なつ「高杉・・・。私達に暗殺計画が出てる。逃げよう。」
皆は散り散りに逃げることにした。
なつ「じゃあね!気を・・・。」
高杉「何を言ってる!お前は、俺と来い!」
なつ「でも・・・。」
高杉「夫婦の商人という事で逃げる。」
なつ「夫婦・・・。」
偽物でも、そういう関係でいれる事が少し嬉しい・・・。
って、何を考えてるの!高杉達の命が危ないって時に!
私は、自分の頬を両手でパンと叩く。
不謹慎すぎ!
なつ「高杉は、私が命に代えてでも守る。」
この逃避行が、二人の関係を変えてしまう事を私はまだ知らなかった・・・。