君の隣
私達は、金毘羅宮に参り、そのあと日柳 燕石(くさなぎ えんせき)様というお方の所に身を寄せた。
日柳様に会って思う。
この二人、匂いが一緒だ。
考え方が、ぶっ飛んでる。
だからだろう。
この二人は、親子ほどの年が離れているのにとても意気投合している。
私も、この日柳という人は、好きだ。
琴平の宿で、高杉は詩を詠み続けている。
私は、その一枚を見る。
これは、松陰先生に贈る詩・・・。こっちは、久坂さん・・・。周布様・・・。沢山の仲間に向けての詩・・・。
私は、高杉の背中に抱きついた。
高杉は、筆を止めて、私の頭を撫でた。
皆の志を背負って、叶える事が出来るかな・・・。
高杉もきっと同じ気持ちだろう。
皆、藩の為に命を懸けた。
私は、何故、生きている?
皆は、志を貫いて、死んでいった・・・。
私が死んでも、志を受け継いでくれる人がいたら良い。
そう思うようになっていた。