君の隣




そんな時、ある情報を手に入れた。





なつ「高杉っ!」




スパァン!





襖を、勢いよく開ける。






私は、高杉が最近、入り浸っている、花街のお座敷の部屋に乱入した。




芸妓「キャッ!なぁに?」



芸妓が、高杉に抱きつく。




高杉は、芸妓を庇い、刀に手をかけている。




私だとわかると、高杉は、少しバツの悪い顔をした。




なつ「高杉っ!来て!逃げるよ!」





高杉「どうした?」




のんびりした声と芸妓の手を握ってる高杉にイライラする。




なつ「あんたが、花街で遊び過ぎて、高松藩が、捕吏をこちらに向かわせた!バレたの!さっさと来て!」




高杉「わかった。さすが、隠密隊隊長だな!」




なつ「何でもいいから早くして!」




私は、高杉の手を強引に引いた。



高杉「おっと。」



よろめく高杉を無視して、ズンズン進む。




高杉は少し、嬉しそうだ。




なつ「あんたが、こんな派手な遊び方してるからバレるのよっ!」




私が、ブツブツ言っていると、後ろからクスクスと笑う声が聞こえる。



振り向くと、高杉が楽しそうに肩を揺らしていた。




私は、睨んで、



なつ「何?」



そう聞くと、高杉は、私の耳に唇を寄せて、



高杉「嫉妬か?」




と艶やかな笑みを浮かべて、そう言った。





そうかも・・・。




いや、そうだ。




これは、嫉妬だ。




別に、すぐに行かなくても大丈夫なのに、あの場所から、高杉を離したかったんだ。




自覚すると、恥ずかしい。




私は、顔が熱くなるのを感じる。




すると、高杉は、ギュッと私を抱きしめて、耳元で、



高杉「可愛い奴・・・。」




と囁いて、私の頭に口付けをした。



なつ「っ!」




私が、オロオロすると、高杉は、くくくっと笑い、私の手を取り、宿に戻った。









< 99 / 135 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop