明日晴れるといいね!
8
美和の心の中にもこのままだといけないという葛藤があった。しかし今のこの現実を考えると将来の不安が美和の心を覆いつくす。

 それ以上に美和と同学年の少女と一緒にいる父親が汚らわしい存在に思えて仕方がない。

が思い出すのは父との楽しかった思い出ばかりであった。その悔しさからか自然と涙が頬をつたう。

 と玄関で人の気配がし惣一を連れた母が帰ってきた。母に何かいって惣一は自分の部屋へ入っていった。

 弟の惣一はまだ高1で美和以上に不安を抱えているのは容易に想像がつく。美和の心にまた父を恨む気持ちが湧き上がって来た。

 翌日美和は図書館に行くといって家を出た。現実大学に行くという夢は諦めきれない。

同級生達は最後の追込みをしているに違いない。たとえ高校に行かなくても大検という手がある。美和はそう考えていた。そのためにも皆に遅れをとらないよう学力をつけておく必要がある。

理系志望の美和には更に多くの演習問題をこなしておかなければならない。図書館の静かな空気の流れが何故だか心を落ち着かせてくれる。問題集を持ち込み一心不乱に問題と向き合った。その間だけでも否なことを忘れられた。

そんな中ふと、あの日会った涼子という子に会ってみたくなった。夕方近くまでいた美和は先日会った付近にまで足を伸ばした。
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