竜王華伝 (完)
「……、行こう」

静寂の中、蛍が冷静に言う。

蛍。あのね、辛いよ…。苦しいよ。

でも、いいの。助けてなんて貰わなくても…生きていけるの。

あたしが耐えていたら、大切な人は笑顔で…過ご…せるか、ら…。

「分かってたの。」

「うん…」

「分か、って…たの…にな…。」

あはははは…と、自嘲気味に笑った。

そしたら、涙が溢れてきて……

でも迷惑はかけられないから…。

唇を強く噛みながら、笑う。

あたしの癖ー・・・。

誰も知らない、癖なの。
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