竜王華伝 (完)
その笑顔から、“死”は感じ取れなかった。

いつもの美森。

『…美森。どうして、あんな嘘を?』

『郁、簡単に信じちゃうんだもんっ!つい、面白くてっ!!』

―嘘だ。

この、美森の目は嘘をついてる。

なぜだか分からないけど、そう思った。

『由理さんにあった。』

『お母さんに?だからか~…。郁は、今頃、駅だと思ってたのにな…。』

その、言葉に何か、何か違和感を感じた。

駅だと思ってたのに…?
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