ずっとそばにいる。
~涼太SIDE~
サツキちゃんの顔が赤かった。きっと大丈夫じゃないパターン。
予想通り患者を整形外科に運んだ直後、グラッと倒れかけた。俺はすかさず支えた。
結構辛そう。意識を確認してから看護師を戻らせた。
支えてるだけで熱が高いことが分かった。
俺は「おでこ触るよ?」と声をかけてからおでこを触った。サツキちゃんを怖がらせちゃいけないから。
すごく熱かった。9度は超えてそうだった。
こんなんでよく救急診れたな・・・
あ、相澤先生が言ってたな。ほとんど責任感と気力で持ってるようなもんだと。
その通り、「休んでて」と言ったら「勤務中なので…」だって。そんなこと気にしてる場合じゃ・・・
そして彼女はすぐ謝る。自分が悪いわけでもないのに…
熱を計って、体温を聞いたら7.6? そんな訳ないだろ!
つい思ったことを言ったら、サツキちゃんを怖がらせてしまった。
本当に俺ってバカ。 はあ~・・・
「う…」
あれ?どこか痛いのか?
俺は優しく聞いた。
「お腹…」
マジか・・・ 虫垂炎? 胃腸風邪?
聴診と触診をして、点滴を取りに行った。
戻ってきたら、サツキちゃんはうとうとしていた。
かわいい・・・
ってそんなこと考えてる場合じゃない!
「サツキちゃん?点滴するよ?」
「すいません。うとうとしてました。」
ほらすぐ謝る!!
「寝ていいよ。仕事終わったら帰ろう。」と言って仮眠室を出た。
サツキちゃんはすぐ眠りについた。
俺はサツキちゃんをずっと助けたいと思った。
今まで我慢し続けてきたサツキちゃんを笑顔にしてあげたいと思った。
2時間後、仕事終了。
涼太「サツキちゃん?サツキちゃん?」 (サツキは布団を握りしめていた。)
サツキ「森下先生… ご迷惑おかけして…」 (起き上がる)
涼太「謝るな?」(ギュッ) (抱き締める)
サツキ「先生、風邪移ります。」
涼太「大丈夫。サツキちゃん気持ち悪いの?」
サツキ「えっ?何でですか?」
涼太「布団握りしめてたから。」
サツキ「大丈夫です。」
涼太「無理するなよ?帰ろうか?」(抱き上げる)
サツキ「すいません…」
涼太「だから謝るな?」
サツキ「あっすいません。」
涼太「(笑)大丈夫。」
二人は知らなかった。二人の姿を睨んでいる人がいると。