色々な恋愛覗いていきませんか?*短編詰め合わせ。
相合い傘。
「あー、また“星”が降ってるよ」
学校の昇降口から空を見上げて呟く。
20xx回の誕生日を迎えた地球は今日が最期の日なのだ。
そう。つまり寿命ってわけ。
その証拠に空から時々星が降ってくる。
傘を忘れた私は皆が帰るのを横目に、空を眺めながら今までの短い17年間の人生を思い浮かべていた。
「…まだ帰んないの?」
その言葉に視線を空から声の主に向ける。
「傘忘れたの」
見てわかんない?と首を傾げながら言えば、ハッと鼻で笑われた。
「しょうがないから僕の傘に入れてあげないこともない」
そう言ってそっぽを向く幼馴染に笑みが零れる。
「相合い傘だ」
地球最期の日、私は好きな人と相合い傘をした。
私はきっとこの日のコトを忘れない。
「…好き」
ポツリっと隣から聞こえてきた声に首をかしげる。
「だからセイが好きだって言ってるの」
なんか言ったらどうなの?と、あたしを睨んでくるツキに、
「あたしも好き」
そう言ってキスをした。
そして、午前0時0分ちょうど地球は寿命を迎えた。
fin.