色々な恋愛覗いていきませんか?*短編詰め合わせ。
勘違い男子。
「絢斗!」
大好きな姿を見つけ駆け寄ろうとすると、
「待てよ 」
あたしの首根っこを掴んで行かせまいとする金髪が現れた。
「ちょ、早く行かないと絢斗が行っちゃうでしょ⁉︎」
離して。と、目の前の金髪を睨む。
今、目の前にいる金髪は高校に入って出会った。
クラスメイトってよりかは親密だけど、友達って聞かれたらどうかわからない。
「アイツ、お前の男か?」
それでもって何かとあたしに突っかかってくる。
「そんなわけないじゃん!」
「本当にお前の男じゃないのか?」
「どこに自分の兄を彼氏にするヤツがいるか!」
金髪を睨みつけながら怒鳴れば、
「うわ、俺ハズ…」
片手で顔を隠してしゃがみこんだ金髪。
髪の隙間から覗く耳は、ほんのり赤く染まっていた。
「…なんであんたそんなに顔真っ赤なわけ?」
そう聞けば、バッと音がつくくらい勢いよくあたしを睨みつけてきた金髪。
さっきまでの弱りようは一体どこ行った。
「…お前が好きだから嫉妬したんだよ。
バーカ」
「え、んっ⁉︎」
チュッとリップ音をさせて離れたそれ。
「俺を本気にさせたお前が悪い」
どうやらあたしはこの金髪にライクではなく、ラブの方で好かれてしまったようだ。
fin.