色々な恋愛覗いていきませんか?*短編詰め合わせ。
告白練習女子。
青空の下。
屋上でめいいっぱい空気を肺にため込んで、
「先輩のことが、あの…ずっと、好きでした‼︎」
思いっきり吐き出した。
べつに今、少女マンガのような告白の真っ最中ってわけでもなく。
ただ単に、好きな人への告白練習。
もう一回。
これで、最後の一回。
これを言ったら、先輩に告白しよう!
練習じゃなくて、本番で。
「真田(さなだ)先輩。私、先輩のこと、ずっと前から好きでした‼︎」
よしっ!
言えたぞ‼︎
このままいけば、本番だってちゃんと噛まずに言えるはず!
「…マジかよ」
「…え?」
声のする方を向けば、私の告白相手の真田先輩が呆然とした顔で、私の方を見ていた。
「いや、あの、これはっ、きゃっ」
どうにか誤魔化そうとした私に早足で近寄ってきた先輩は、ぎゅっと私のことを抱きしめた。
その途端に先輩のつけてる香水なのか、柑橘系の匂いに包まれた。
「俺もお前が好きだ」
その瞬間、ボフンっと音がしそうなくらい赤面したのは言うまでもない。
fin.