復讐する女はカメラの前で服を脱ぐ
「改めて、遠藤晴之です。」
「川口、聡美です…。」
初めて晴之と2人で出会った日。
デートスポットとして有名な海沿いの遊歩道を歩きながら、緊張で俯くばかりの私を気遣い、晴之は優しく話しかけてくれた。
「聡美ちゃんは、どんな男性が好みなの?」
「え?」
生まれて初めてそのような質問をされた。
「や、優しい人…。」
「俺は…、その優しい人、の中に入るかな?」
「…。」
立ち止まり、何も言えないまま俯く私。
晴之は向かい合うように前に立つと、私の顎に触れてすっと顔を持ち上げた。
晴之と目が合う。
その切れ長の奥の瞳に引き込まれそうになる。
「俺は、聡美ちゃんが好きだ。」
優しい目でそう伝えると、ただ固まっている私の顔に近づき、唇を重ね合せた。