都合のわるい女
無事にバイト先の喫茶店までタカハシを送り届けると、俺はヘルメットをかぶり直して自分のアパートに帰った。



カラオケに誘われていたことを思い出したが、途中参加も気まずいので、今回は諦めることにする。


今日はバイトもないし、部屋でゆっくりしよう。

先週の実験のレポートも、早めに片付けてしまわないといけないし。


カバンを下ろして床に腰を下ろし、一人暮らしの友・テレビの電源を入れる。


夕方のニュースをやっていた。

淡いピンクのニットに白いスカートという清楚なファッションのお天気お姉さんが、『明日は全国的にいいお天気になりそうです』と微笑んでいる。


なかなか可愛いな。

いや、まぁ、タカハシのほうが可愛いけど。

顔だけなら。



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