都合のわるい女







「ニッシー!」



タカハシのバイト先から少し離れたところにバイクを停めて待っていると、小悪魔がにこやかな笑顔を浮かべて駆け寄ってきた。



「おつかれさん」


「ほんと疲れたよ〜。
今日めっちゃお客さん多くてさ〜」



しかも面倒くさい常連客が……なんて愚痴りながら、タカハシは慣れた調子で俺の後ろにまたがる。



「あっ、ちゃんと材料買ってきた?」


「はいはい、買ってきましたとも」


「さっすがニッシー!」



タカハシがぎゅっと抱きついてきた。

再び背中に触れた柔らかな胸の感覚を頭から追い出し、俺はエンジンをかける。



「ったく、毎日のように晩飯に押しかけてきやがって………」


「だって、ニッシーの料理、おいしいんだもん♪」


「よく言うよ………」




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