恋する淑女は、会議室で夢を見る
ユキに促されるまま、ドレッサーの中をあらためて見てみると、
思っていたより色々な服があった。
――パンツスーツでも、今までみたいな無地のシャツじゃなくて
インナーをヒラヒラなブラウスにでもすれば
もう少し女の子らしく華やかになる?
… うーん
女子の同僚や先輩には、時々
真優は女っ気が足りない、化粧したらもう少し女らしく見えるかもよ?と、
からかわれたりはしていた。
笑って受け流していたのは、別に叱られた訳じゃなかったし
それが悪いことだなんて思いもよらなかったからだけど…
「・・・」
桐谷遥人の冷たい視線を思い出し
―― ハァ…
真優の心は、ズーーーンと、重たくなる。
「さ、お嬢さま! 元気出して!
大丈夫大丈夫!
明日からバッチリ、大人可愛いキャリアウーマンでいきましょう!」
ユキは、パシッ! と真優の背中を叩いた。
「イタッ… もぉ…」
クスクス