恋する淑女は、会議室で夢を見る
そして週末。
お疲れさま~!
カンパ~イ
ゴクッゴクッと喉を鳴らしなら一気に飲んで、プハーッと息を吐くと
「美味い!」と思わず声がでた。
生ビールは暑い陽射しで火照った体や喉を冷やしてくれるだけじゃない。
ここ数日、振り払っても振り払っても心の隅に居座っていたしつこい滓も、
きれいさっぱり流してくれるだろう。
「夏はやっぱり生に限るね~」とオヤジのようなことを言いながら、真優は間髪入れずにまたグラスを口にした。
・・・
「だから あの展開はーやっぱりおかしい って」
「真優はなにが不満なわけ」
「好き だからってぇ
っすべてが 許されるわけじゃないでヒョ」
「何の話」
「テレビドラマ、ほら昨日の」
「それにしても真優、相当酔ってないか?」
「だいじょぶ だいじょーーぶー」
あっはっは
居酒屋での1次会が終わり、2次会に行こうと外に出た時には
真優は笑いがとまらないほどご機嫌だったが
「真優 ほんとに大丈夫?」
「もっちろーーん」
外に出て風にあたると、ふいに桐谷専務への不満が沸々と湧きあがってきた。