恋する淑女は、会議室で夢を見る
頬を膨らませ、尖らせている真優の唇にキスをして
好きだよと囁いた。
…好きだよ 真優
愛してる
そう囁きながら
またキスをする…
夢を見るように、瞳を潤ませた真優が
「 月が 見てる…」
譫言のように、つぶやいた。
―― 月?
見上げた空に浮かぶ、上弦の月。
ふいに
呆れたようにため息をつく仁の声が、聞こえた気がした。
『どうかしてる』
――確かにな
どうかしている俺は、
月に嫉妬して
隠すように真優を抱きしめた…。
俺だけの真優
愛してやまない真優だから――