恋する淑女は、会議室で夢を見る
*...*...*...*...*
それから数日が経ったある日。
「ただいまぁー」
「おかえりなさいませ お嬢さま」
「・・・・・ハァ」
家に帰った真優は、
バッグをソファーに投げ出して、いきなり大きくため息をついた。
「帰ってきていきなり溜息なんて
また何か失敗なさったんですか?」
メイドのユキに “また”と言われるくらい失敗続きではあるけれど
バタッ
力なくソファーに崩れ落ちるほど真優がガックリと落ち込むのは、
記憶にないほど久しぶりのことである。
「お嬢さま?」
ユキが心配そうに覗きこんだ。
・・・
―― 今日はさすがに ちょっと傷ついた…
「ねえユキ」
「はい?」
「だめなの? 社会人の女は、化粧もちゃんとしなくちゃいけないの?
寝癖があっちゃダメなの? ねえ」
「あ! ほらね 注意されたんでしょう!
お嬢さまったら
だから毎朝 私が言ってるじゃないですか
で? 何があったんです?」