恋する淑女は、会議室で夢を見る
「・・・」
「そりゃ まあ
一緒にいて することが違うからなぁ」
・・・ スルことが
チガウ?
「恋人とは 愛を語る
仕事をするわけじゃない」
―― あぁ そういうことか
「そうですね…
そりゃ そうだ!
うんうん ですよねーー」
暑くなったのか
氷室先輩が、クイッと ネクタイを緩めた。
形のいい唇…
珈琲カップを持つ長い指…
氷室先輩の全てが、エッチっぽく見えるのは
バーのカウンターで 先輩と恋人とのキスを目撃しちゃったから?
「ま、お前も恋人ができれば
男のことが 色々とわかるだろ」
!
「…
ちょっと先輩
どうして 私に恋人がいないと思うんですかぁ」
「そりゃ お前
それだけ色気がないのに 恋人がいるわけないからさ」
「ひどーーーい」
先輩がまたクスクスと笑う。
そういえば先輩の恋人は
おとなしそうな人なのに 匂い立つように色気があった。
それって…
先輩のせいなんでしょ ?
彼女をそんな風に したんでしょ…
先輩が…