恋愛学園
驚いて声のするほうを見ると、携帯をいじっている川村裕也くんが目に入る。
さっきまで何もいわなかったのに…
「あれ、裕也もあゆ狙い?」
「…ちげぇよ」
…そんなはっきり言わなくても。
でも、さっきのは…
助けてくれた、んだよね?
お礼とか…言ったほうがいいの?
「なぁんだ。じゃ、俺あゆもーらい!」
「へ!?」
な、なにそれ!
驚いて落合和馬くんを見た。
「てことで、よろしくな?」
「え!?」
「はい。よろしくの握手」
って…どうしてそうなるの!?
あたし、付き合うなんて言ってないのに…っ!!
「ちょ、ちょっとまってよ、落合和馬くん」
「…え?」
え?
あたしが声を発した途端、3人が一斉にこっちを向いた。
え…なに?
あたし、なんか変なこと言っちゃったかなぁ?
すると、あたしの心配をよそに、3人は急に笑い出した。
…あの無愛想な、川村裕也くんまでも声を押し殺して笑ってる。