恋愛学園
「あいつとは、きっと別れられないんだよ…」



別れたくても、別れられない…



「前に何回か『別れよう』って言ったことがあるの。あいつは別れ話を持ち出すと、人が変わったみたく暴れ出すんだ…」



初めて別れたいって言ったとき、いきなり立ちあがって殴りかかってきた。


あたしはその時、抵抗しなかった。


そんなことより、彼氏が今自分に何をしているのかがわからなくなっていた。



「最低…章くん、そんなことする人だったの?」



章とは、あたしの彼氏の名前。


章とかいて、あきらと読む。



「ごめん…香織。ずっと黙ってて…」


「いいよいいよ。気にしないで。凛はずっと…それに耐えてきたんだよね?言い出せなかったんだよね?」



香織…ごめんね。


あなたに、そんな顔をさせたくなかった。


いつもあたしと章の関係に憧れてた香織。


だからこそ、香織には言い出せなかった。



「どうすんだよ?このままだと凛、ヤバいことになるぞ?」



それは、自分でも十分わかってる。


1番やっちゃいけないこと…暴力。


でも章は、まだあたしが別れ話を持ち出したときしか暴力を奮わない。



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