恋愛学園
あたしは壁にかかっている制服に着替えて、階段を降りていった。



「あ~やっと起きた!早く食べちゃってよ~」


「…ねぇ、お母さん…」


「なぁに~」



あたし、なんであんな夢見たんだろ…


あんなにすてきな恋しててさ


あんなにすてきな友達がいてさ


この世で一番の幸せ者だって、そう思ってたのに。


それが夢だったってわかったとたん、こんなにも現実がつらくて、これから先どうすればいいのかわからなくなって、あたし…



「あたし、西ヶ丘高校に行けば幸せになれる?」


「何いってんのよ~。幸せなんて、どこにいたっておんなじよ。結局は自分の手で手に入れなきゃいけないんだから」



…そうだよね


場所なんて関係ないよね


努力した人には幸運が訪れるっていうじゃん。


あたしも西ヶ丘高校で頑張ればいいんだよね。



…あの、夢の中のあたしみたいに。



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