恋愛学園
「何で笑うの…?」


「凛のことはさ…大事にしてきたつもりだった。
でも…やっぱ無理だった。
俺には女と付き合うなんてむいてねぇんだよ…」



どういう意味…?



「女遊びが激しいこと、自分でもわかってたけどさ。やっぱ耐えらんなかった。
凛、ごめんな?今までつらい思い…させてたよな?」



いつもは騒がしく暴れ出す章が今日は異様なほどに静かだった。



「相手が亮ならかなわねぇよ。幸せになれよ…」



意外にも、あっさり別れてくれた章にびっくりした。


でも、今日から章とは他人になるんだよね。



「ごめんね、章。さようなら」



あたしは亮に声をかけ、歩き出した。


振りかえらない。もう、二度と。



「凛!」



…でも。章が叫んだ声が聞こえて、あたしはつい振りかえった。



「好きだよ!今でも大好きだー!」



…もう。今になってそんなこと言わないで…



「あたしも好きだったよー!さよならー!!!」



あたしはあえて過去形にして、章にまた背を向けた。

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