恋愛学園
目の前に現れた女の先生は、私たちを見てにこっと笑った。
よかった、助かった…
「新入生は毎年誰かしら迷子がでるのよ」
「そんなに広いんですか?この学校は」
「広いっていうより、複雑な造りになっているのよ。寮もあるしね。だけど、設備はとても充実しているわよ」
たしかに、廊下もすごく綺麗。
さっきちょろっと覗いたんだけど、理科室も綺麗だった。
トイレも壁がピンクで可愛かったし…
結構お金かけてるんだなあ。
その上広いっていうね。
授業が始まってから、迷わないで行けるかな?
なんか心配になってきた。
先生はヒールの靴をコツコツと鳴らしながら、先を歩いていく。
あたし達もその後を追った。
「校舎から寮までの道は、覚えるまでは大変かもしれないわね」
「か、帰れるかなあたし…」
「毎日寮から通うんだし、すぐになれるわよ」
だといいんだけど…
「イベントも多いし、3年間楽しみましょうね」
「どんなイベントがあるんですか?」
「いろいろあるわよ。全員参加のものから、希望者だけ参加のものも」