俺の彼女の電波ちゃん。
「……ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…」

見えないが、ちびっ子の痛いほどの視線を感じた俺は効果音を出しながら郷愛をおぶって立ち上がった。


ってか、女の子向けの変身ヒーローものっぽかったのに、完全に戦隊モノっぽい展開だけど大丈夫か!?

 


俺の心配をよそに、背中から嬉しそうな雰囲気が伝わってくる。



郷愛、お前が楽しいだけじゃないのか……!?






色々なことをめまぐるしく思っているとき、郷愛の右手が肩から離れるのを感じた。

俺の顔の脇からその腕が上へ伸ばされた。



「ダメだこりゃ!」



郷愛はドリフの長さんのように呟くと、俺の背中から滑るようにするりと降りた。 





風船には、おんぶでは少しも届かなかったんだ。
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