俺の彼女の電波ちゃん。
「郷愛、ほんとに、頑張ったのよ。」


左側から宙子につつかれる。


「ひろから聞いてたんだけど、ほんとに素晴らしいね郷愛ちゃんは!」


右側から陽翔につつかれる。



「えっへん!もっと褒めろ!!」


胸を張る郷愛。



すごいすごいと拍手をおくるヒロ・ひろカップル。


なんだこれ。



「てか!!まずなんで陽翔がいるんだよ!!」



強い語気の俺に、陽翔は懐かしくも感じるあの余裕の笑みを浮かべて


「もちろん、章の誕生日だから帰ってきたんだよ。」

スルッと言った。


「うわっ、そんな簡単に……!
お前それ俺が女だったら一発で落ちるわ!そう言うのは宙子にだけ言えよ!!
そして俺の誕生日くらいで帰ってくんな!」




俺はなんだか照れてしまって顔を手でおおう。



「まぁまぁ、俺の誕生日くらい、とか言わないの高橋。こんな沢山の人が集まってくれたんだから。」



宙子に言われて、また、顔を上げる。



たくさんの生徒が嬉しそうに立食を楽しんでいる。


立食を楽しむために来たんじゃないかと思ってしまったが、そんなことはない。


前代未聞のこんなイベントに参加してくれるなんて……




そして何よりも。


「郷愛……お前ほんとにすごいよ。」



「そんなに喜んでくれて恐縮であります!!」


そう言って郷愛は敬礼をした。




変な奴だけどすごすぎだろう。

< 32 / 39 >

この作品をシェア

pagetop