俺の彼女の電波ちゃん。
「さて、私が大納言あずきが好きな理由は次のうちどれでしょう?

A.あずき洗いをリスペクトしているから

B.この絶妙な変な色が好き

C.美味しいから

D.言いたいだけ

 
さあどれ!」




突然出されたクイズ。

チッチッチッ……と郷愛はシンキングタイムの音を口で出して言っている。



「……Aってさっき言ってだろ。」




「ファイナルアンサー?」


「完璧な顔芸だな。ファイナルアンサーでいいよ。」



郷愛はいよいよみのさんもビックリな顔芸でこちらを見つめてくる。


自分の顔の筋肉に容赦ないなこいつ。



「……ざんねーーん!!!正解はD!言いたいだけでした!!」


「ってことはお前さっきの嘘かよ!お金を大切にしろ!!」


「ってことで、高橋も食べてくれ。」


「お前飽きたんだろさては!!」


「そ、そんなことないんだなぁ。だ、大納言あずきが好きなんだなぁ。」


「裸の大将か!……しょうがねぇなぁ。俺の食いかけでよければあげるから、それよこせ。」



俺は半分くらい食べたグレープシャーベットを郷愛に渡し、(カップだからベロベロ舐めたやつじゃないぞ)


郷愛から大納言あずきを受け取った。(丸々一個残ってる。)


「きゃー!ありがとうマッシュイケメンバンドマン!あなたのファンです!!」


「はいはい、これからもファンでいてくださいね。」



俺は適当に流して、大納言あずきをかじる。

うーん、あんこ、って感じだな。



「グレープシャーベットうまいグレープシャーベットうまい。」


郷愛は泣かんばかりの勢いでグレープシャーベットを食べている。


「……大納言あずきの語感の良さは否めないけどな、次は好きなもん頼めよ……」


「はーい!」


郷愛は素直に元気良く手を挙げた。


「子供かよ。」


突然の素直に、俺は思わず笑ってしまった。



なんか、憎めないのが憎いぜちくしょう。
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