笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
「くるみちゃん。
祐介くんの彼女は、そちらにいる陽泉さんよ」
そう説明しているのは、あの日、祐介と一緒にいた"杉浦さん"。

「そうなんですかぁ?
祐介先輩には、美咲さんの方が合ってると思いますが…」
「くるみちゃん。
ありがたいけど、陽泉さんに失礼よ。
…私と祐介くんは、私が一方的に祐介くんを好きなだけなんだから…」
「そんな…、そんなことないですよ!
祐介先輩も、美咲さんのことが好きですよ。…だって、いつも美咲さんに優しいですもん」

"くるみちゃん"っ子が、杉浦さんの恋を、応援しているのは分かった。
そして、杉浦さんが祐介を好きなことも知っている。

だけど、なんだろう…
このアウェーな感じ。

私と祐介が恋人同士で、それを杉浦さんが邪魔をしているのが現状なのに、なぜか祐介と杉浦さんの仲を、私が邪魔しているみたいになっている。
それっておかしくない?

「…祐介さんさ。
ずっと姉ちゃんのことが好きだったよね?で、やっと付き合い始めたんだよね?
なんでそれを、言わないんですか?
…そちらの人は、姉ちゃんが彼女だって分かっているみたいだけど、…なぜか姉ちゃんに対して上から目線に感じるんだけど。
俺の気のせいですか?」

私のアウェーな状況を、郁海が救ってくれた。

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