笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
一番のサプライズは、翌朝にやってきた。

初めて…の田村さんとの1泊旅行。
お互い休みも合わないため、お泊り自体が久しぶりで、熱く甘い夜を過ごした。
最近は、なかなかゆっくり会うことも出来なかったので、かなり激しくお互いを求めあった。

そのため、目が覚めたのは8時過ぎ。
パチッと目を開けると、愛する人が微笑んで
「愛美おはよう。
身体は大丈夫か? 昨日は、かなり激しく抱いてしまったから」
そんなことを言ってくる。

朝から恥ずかしいことを言われて、…昨夜のことを思い出して、思わず赤くなる。

「…大丈夫だよ」
毛布を持ち上げ、顔を隠しながら答えると、左手に違和感が…。
気になって見てみると、薬指にキラリと輝くものが…

「えっ…、これ…?」

左手薬指に嵌められた指輪。
その意味は…

田村さんを見上げる。
「なに愛美、その上目遣いは?
昨日のアレじゃ足りなくて、誘惑してるの?」
「…いやっ!違くて…
これっ!この指輪は、田村さんが?」
「…もちろん、そうだけど。
なに? 愛美は俺以外にも指輪をプレゼントしてくれる相手がいるの?」
「そんな人いない!いるわけないよ」
「……………」
「……………」
「愛美、ごめん。
ここからは茶化さないで真面目な話な」
彼の真剣な声に、私も頷いた。
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