笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
「お前、ミニバスの審判の資格取ったよな?」
「…うん」
「アシマネで登録したから、次の大会からベンチで俺の隣に座ってろ」
「えっ…?いいの?」
「あぁ。いいから言ってるんだろう」
「うん…、ありがと」
「……それから、さ…」
「…うん?」
「…バスケ以外でも、俺の隣にいてくれ」
「えっ…?」
「…これからの人生、ずっと隣にいて、俺を支えてくれ」
「……………」
「……………」
私はそっと、左手薬指の指輪を見た。
5月の誕生石であるエメラルドが、まばゆいくらいに輝いている。
…嬉しさが込み上げて、涙が溢れてくる。
『どうしよう…。
"はい"と返事しなくちゃ…。
早く頷かなくちゃ…』
そう思うのに、身体が動かない。
「…愛美?」
田村さんが私を呼ぶ。
そして、
「…ごめんな。
愛美はまだ若いんだもの、俺みたいなおじさんはイヤだよな…。
もう言わないから、そんなに泣くなよ…」
そんなことを言う。
私は全力で否定した。
「…ちがっ、違うから!
これは、嬉し泣きだから!」
そう言った私を、田村さんはそっと抱きしめ、
「そんなの分かってる。
…ごめん、愛美。
もう1度言うから、ちゃんと答えて。
………"井上愛美さん。
俺と結婚してください"」
私は微笑んで、
「はい、よろしくお願いします」と答えた。
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
「…うん」
「アシマネで登録したから、次の大会からベンチで俺の隣に座ってろ」
「えっ…?いいの?」
「あぁ。いいから言ってるんだろう」
「うん…、ありがと」
「……それから、さ…」
「…うん?」
「…バスケ以外でも、俺の隣にいてくれ」
「えっ…?」
「…これからの人生、ずっと隣にいて、俺を支えてくれ」
「……………」
「……………」
私はそっと、左手薬指の指輪を見た。
5月の誕生石であるエメラルドが、まばゆいくらいに輝いている。
…嬉しさが込み上げて、涙が溢れてくる。
『どうしよう…。
"はい"と返事しなくちゃ…。
早く頷かなくちゃ…』
そう思うのに、身体が動かない。
「…愛美?」
田村さんが私を呼ぶ。
そして、
「…ごめんな。
愛美はまだ若いんだもの、俺みたいなおじさんはイヤだよな…。
もう言わないから、そんなに泣くなよ…」
そんなことを言う。
私は全力で否定した。
「…ちがっ、違うから!
これは、嬉し泣きだから!」
そう言った私を、田村さんはそっと抱きしめ、
「そんなの分かってる。
…ごめん、愛美。
もう1度言うから、ちゃんと答えて。
………"井上愛美さん。
俺と結婚してください"」
私は微笑んで、
「はい、よろしくお願いします」と答えた。
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