笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
「いただきます」
私はサラダを口に運ぶ。

「なぁヒナ。まずは、ちゃんと謝らせて。
ヒナと付き合っているに、"浮気"してゴメン」
「……………」
「……………」
「…ねぇ。本当に"浮気"なの?二股とかじゃなくて?」
「違うよ!二股なんかじゃじゃない!」
「…でも、私と付き合う前から関係があったんでしょう?」
「…それもゴメン。
ずっとヒナのことが好きだった。これは嘘じゃない。
ずっと一番そばにいたけど…、いや…、ずっとそばにいたいから、"好き"と言えなくて。
そんなときに、彼女が俺を"好き"だと言ってくれたんだ。
だから、勇気を出して"好き"だと伝えてくれた彼女の気持ちに応えたいと思った。
…今は、それは間違いだったと分かる。
だって、ヒナのことも、その彼女のことを傷つけけてしまったから。
…ヒナ、本当にゴメン」

祐介の説明を聞いて、彼の気持ちはちゃんと分かった。
でも…

「…その彼女とはどうするの?
私が、"もう会わないで"って言ったら、会わないでくれるの?」
「……………」
「…出来ないよね?同じサークルの仲間なんだもんね?」
「……………」
「サークルの後輩には、祐介の恋人は私じゃなくて、その彼女だと認識されているんだもんね」
「……………」
「……………」



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