笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
「…うん、やっぱりいいな。ヒナが作るご飯は、やっぱり美味しい」
なぜか祐介はベタ褒めだ。
「…ありがとう。
でも褒め過ぎだよ。
冷し中華は市販のタレで具も切っただけだし、鶏肉だって、市販のタレを絡めてだけだよ」
「そうだけど…。
それでもヒナが作ってくれたから美味しいの!
ヒナが俺のために作ってくれたと思うから、ヒナからの愛情を感じるから、美味しいの!」
「……………」
そんなことを言われたらテレてしまう。
確かに、食べてくれる人に"美味しい"と感じてほしくて、気持ちを込めて作っている。
…以前。
拓海のバスケの試合で、おにぎりをたくさん握って行った。
偶然に佐々木くんも来ていて、そのおにぎりをあげたら「美味しい」と言って、すごく喜んで食べてくれていたことを思い出す。
そして、ふふっと笑みが零れた。
「陽泉、どうした?」
そんな私を見て、祐介が心配そうに聞いてくる。
「ん?大丈夫だよ。
私が作った料理を、祐介はそんなふうに思って食べてくれていたんだなぁって…。
こっちこそ、ありがとね」
祐介と一緒のときに、佐々木くんのことを考えてしまった罪悪感をごまかすように笑顔を作る。
彼は、そんな私を抱き寄せると、そっと触れるだけのキスをした。
私はスッと目を閉じる。
なぜか祐介はベタ褒めだ。
「…ありがとう。
でも褒め過ぎだよ。
冷し中華は市販のタレで具も切っただけだし、鶏肉だって、市販のタレを絡めてだけだよ」
「そうだけど…。
それでもヒナが作ってくれたから美味しいの!
ヒナが俺のために作ってくれたと思うから、ヒナからの愛情を感じるから、美味しいの!」
「……………」
そんなことを言われたらテレてしまう。
確かに、食べてくれる人に"美味しい"と感じてほしくて、気持ちを込めて作っている。
…以前。
拓海のバスケの試合で、おにぎりをたくさん握って行った。
偶然に佐々木くんも来ていて、そのおにぎりをあげたら「美味しい」と言って、すごく喜んで食べてくれていたことを思い出す。
そして、ふふっと笑みが零れた。
「陽泉、どうした?」
そんな私を見て、祐介が心配そうに聞いてくる。
「ん?大丈夫だよ。
私が作った料理を、祐介はそんなふうに思って食べてくれていたんだなぁって…。
こっちこそ、ありがとね」
祐介と一緒のときに、佐々木くんのことを考えてしまった罪悪感をごまかすように笑顔を作る。
彼は、そんな私を抱き寄せると、そっと触れるだけのキスをした。
私はスッと目を閉じる。