笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
チュッと啄むようなキスが続き、その甘さに身を委ねていると、そっとソファーに押し倒され、スッと舌が咥内に入ってくる。
それと同時に、彼の右手が私の腰のラインを撫で始める。
その手が服のすそから中に入り、素肌に触れた瞬間、私は彼のその手を押さえた。
私の首筋を這っていた唇を離し、上から私を見下ろす祐介。

「なぁヒナ。ヒナのこと抱きたい。ダメか?」
真剣な眼差しで聞いてくる。

どうしよう…?
このまま、流されてもいい…とも思った。
でも…

「…ごめん。
シャワー浴びてないし」
「今から浴びる?
俺、待つよ」
「…下着の替えもない」
「コンビニで買ってくるか?」
「……………」
「…嘘だよ。
ちゃんと待つから」
「……………」
「…でも、期待してもいい?
今回のヒナ、そんなに嫌がってなかったよな?」
「……………」
「…次にヒナがこの部屋に来たときは、いい?
ちゃんと覚悟しといて」
「……………」
私は頷いた。
「じゃあ、今日は送るよ。これ以上、一緒にいたらヒナのこと襲っちゃうから」
祐介はそう言うと、立ち上がって車のキーを手にした。
私も立ち上がり、服を整えると彼のあとに続く。

「ヒナ、来週の予定は?」
「うん。同期で集まろうってことになってる。
都合悪い人もいるみたいなんだけど」

< 131 / 250 >

この作品をシェア

pagetop