笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
「そっか。じゃあ、再来週だな。
また連絡するから」
「うん」
その時に、私と祐介の関係が変わるなんて、この時の私は思いもしなかった…

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

翌週の金曜日は営業会議があり、仕事終わりに紗英ちゃん·小野くん·平山くんと食事に行った。
佐々木くんと戸田くんは都合が悪くて、今回は4人だ。
お店は平山くんが良く行く居酒屋。個室に案内されて、私は柚子サワー·他の3人は生ビールを注文した。
他に串盛り合わせ·から揚げ·揚げ出し豆腐·シーザーサラダなど、みんなで分けられる定番のものを注文した。

4人で乾杯をして、小野くんや平山くんの営業先での仕事の話などを聞いたり、私と紗英ちゃんも、仕事での単純ミスなどを話して、楽しい時間を過ごした。
その間も、飲んだり食べたりして、途中で私はお手洗いに席を立った。

何故、このタイミングで席を立ったのだろう?
あと5分だけ、早くても遅くても良かったのに。

紗英ちゃんに、
「ちょっとお手洗いに行ってくる」と声をかけ、バックを持って個室を出た。
用を済ませて、手を洗いながら鏡を見る。
まだ2杯しか飲んでなくて、さっき3杯目のサワーを注文してきたばかりだ。
それでも少し顔が赤くなっている。
"これで終わりにしよう"
そう思いながら、お手洗いをあとにした。


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