笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
一通り陽泉の話を聞いたあと、彼女から
「…紗英ちゃんは今、恋してる?」と聞かれたときは驚いた。
陽泉が私の恋愛を気にしているなんて思わないから。
それでも、相手の名前は出さずに"片思い中"と告げて、その彼に対する想いも教えた。
私の話を聞いて、彼女は何か思うところがあったようだ。
その翌週は営業会議があるため、また同期で集まることにした。だけど今回は、佐々木くんと戸田くんの都合がつかず4人での飲み会。
それでも、小野くんと平山くんが営業先でのエピソードを面白可笑しく話してくれて楽しかった。陽泉も一緒に笑っていたと思う。
そんな陽泉の様子がおかしくなったのは、彼女がお手洗いから戻ってきてからだろうか…
無理に笑顔を作っていて、私たちの話しも聞いてないみたい。今にも泣き出しそうに下を向いてしまった。
気になった私は、隣の部屋の話し声に耳をかたむけた。すぐに陽泉が落ち込んだ原因が分かった。
陽泉の彼氏の浮気相手と、その取り巻きたちが、陽泉の悪口を言っているのだ。
陽泉は耳を塞いで、何も聞こえないようにしている。
それでも、その身体は小刻みに震えている。
『陽泉を助けなきゃ!』
最初に思い浮かべたのは佐々木くん。
だけど、彼は今、東京に向かっているはず。
それでも、陽泉のためなら、すぐにとんぼ返りするだろうけど。
結局、私が助けを求めて陽泉の携帯から電話をかけたのは…
「…紗英ちゃんは今、恋してる?」と聞かれたときは驚いた。
陽泉が私の恋愛を気にしているなんて思わないから。
それでも、相手の名前は出さずに"片思い中"と告げて、その彼に対する想いも教えた。
私の話を聞いて、彼女は何か思うところがあったようだ。
その翌週は営業会議があるため、また同期で集まることにした。だけど今回は、佐々木くんと戸田くんの都合がつかず4人での飲み会。
それでも、小野くんと平山くんが営業先でのエピソードを面白可笑しく話してくれて楽しかった。陽泉も一緒に笑っていたと思う。
そんな陽泉の様子がおかしくなったのは、彼女がお手洗いから戻ってきてからだろうか…
無理に笑顔を作っていて、私たちの話しも聞いてないみたい。今にも泣き出しそうに下を向いてしまった。
気になった私は、隣の部屋の話し声に耳をかたむけた。すぐに陽泉が落ち込んだ原因が分かった。
陽泉の彼氏の浮気相手と、その取り巻きたちが、陽泉の悪口を言っているのだ。
陽泉は耳を塞いで、何も聞こえないようにしている。
それでも、その身体は小刻みに震えている。
『陽泉を助けなきゃ!』
最初に思い浮かべたのは佐々木くん。
だけど、彼は今、東京に向かっているはず。
それでも、陽泉のためなら、すぐにとんぼ返りするだろうけど。
結局、私が助けを求めて陽泉の携帯から電話をかけたのは…