笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
「…美咲とは、後でちゃんと話をするよ。
…今の俺には、美咲よりもヒナの方が大切なんだよ」

こう言えば、美咲も高城も分かるだろう。

そのままヒナを俺の車に乗せ、青山さんに確認して、ヒナは俺の部屋へ連れて行くことになった。郁海に連絡して、ヒナの着替えを持ってきてもらい、青山さんにヒナの着替えをお願いした。
ヒナは俺のベットで寝ている。

ヒナの着替えが終わると、郁海も、青山さんも、
「祐介さん。姉ちゃんをヨロシク」
「吉田さん、陽泉をお願いします」
それぞれにそう言って帰って行く。…いや、郁海に青山さんを送って行くように頼んだんだ。

2人を見送ると、もう1度 ヒナが寝ている寝室を見た。
すやすやと眠る彼女の髪を撫でる。
すると、
「…ん、…ウーン」と、かわいい寝言が聞こえてくる。そっと前髪をかき上げ、その額にキスを落として寝室を出た。

…これ以上、ヒナの寝顔を見ていたら、俺の理性がぶっ飛びそうだ。
ただでさえ、我慢の限界に来ているのだから。

俺は、自身の欲望を抑えるため、浴室へ行き熱いシャワーを浴びた。
それからタオルケットを持ってきて、ソファーに横になる。
すぐそばでヒナが寝てると思うと、眠れないかも知れないが…

だけど。
明日、ヒナが目覚めたら俺の気持ちを伝えよう…
"ヒナが好きだ。誰よりも大切だ"と…



  ―第2章·完―



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