笑顔の行方~バスケットが繋いだ恋~
それぞれの道~稜Side~
どうして俺はその日、東京に行ったのだろう?
もしその日、東京へは行かず彼女のそばにいたら、何かが変わっていたのだろうか?
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いつものように営業会議のある金曜日。また"同期で集まろう"と青山に誘われた。だけどその日は、東京にいる知人に会いに行く約束をしていて、青山に断ってしまった。
「佐々木くんもダメなんだ…。戸田くんも都合が悪いみたいなんだよね。
しょうがない、その日は4人で飲むか!」
青山はそう言っていた。
その日は残業なしで仕事が終了。俺は1度家に帰ると、東京へ行く準備をした。
東京までは車で行く。
片道3時間弱。休憩を2回入れても、日付が変わる前には着くだろう。素泊まりのビジネスホテルを予約してあるから、大丈夫だけど。
"とりあえず事故にだけは気をつけよう"
そう思いハンドルを握った。
小野と平山、それぞれから連絡があったのは土曜日の午前中。
2人の脈絡のない話をまとめると、昨日の飲み会の時に突然、陽泉の体調が悪くなり、青山が陽泉の彼氏らしい人を呼んだ。
陽泉の体調不良は、隣の個室にいた女子グループが原因で、そのグループは陽泉の彼氏と繋がりがあった。いろいろ揉めたが、彼氏がそのまま陽泉を連れて帰り、青山もそれに付き添って行った。
2人共、「詳しい話は青山に聞いてくれ!」と言うことだ。